市販の便秘薬のリスクについて

便秘に長年悩まされている人が、ついつい手を伸ばしてしまうのが、市販の便秘薬。

 

確かに、今まで便秘薬を使っていなかった人が使い始めてみると、それはもう、かなりの効果を実感するものです。
しかし・・・効果があるからといって、便秘対策を市販薬頼みにするのは、非常にリスクが高いことだというのをご存知でしょうか。

 

市販の便秘薬で便秘が治ることは絶対にない!?

まず知っておいてもらいたいのは「市販の便秘薬で一時的にお通じが回復したとしても、それは便秘が治ったということではない」ということ。そして、「一過性の急性便秘ならともかく、慢性便秘が市販の便秘薬で治る、ということは絶対にない」ということです。

 

なぜ、市販の便秘薬では「本当に便秘を治す」ということができないのかというと・・・市販の便秘薬の定番である「アントラキノン系」の作用というのは、基本的に「腸に強い刺激を与え、まるでムチでも入れるかのように、無理やりぜん動運動をさせる」というものだからです。

 

いきなりムチを入れられた腸は悲鳴を上げながら、必死にぜん動運動をして、何とか排便をさせようとします。そのため、一時的に便はスッキリ出るのですが・・・そこに残っているのは、「無理な働きをさせられ、疲れ切った腸」なのです。

 

私たちが、ハードな仕事をいきなりやらされたら、その仕事が終わると疲れきって抜け殻のようになってしまうのと、同じようなものですよ。

 

便秘薬で便秘が悪化する悪循環

市販の便秘薬を何度も使うと、そのたびに強いムチを入れられる腸は、どんどん疲れがたまって過労状態になっていきます。こうなると、便秘薬の刺激がない間は、「もう疲れきって休みたい」となってしまい、だんだん「まともにぜん動運動ができない腸」になってしまうのです。

 

そして、そのうち、便秘薬による刺激も、通常量では効かなくなってしまいます。腸が弱りきって、もう、「前と同じムチの刺激」程度では働けないのです。

 

そうなると「より強い便秘薬を使う」「便秘薬の量や回数を増やす」という形になり、ますます腸への刺激は強くなり、さらに強い刺激にさらされた腸はますますボロボロになって働けなくなっていく・・・

 

この悪循環のサイクルができてしまうと、便秘は恐ろしいほどに悪化してしまいます。

 

便秘薬で疲れ切った腸はどうなってる?

さて、長年の便秘薬の常用・乱用で腸がとことん疲れきってしまうと、腸はどんな状態になってしまうのかというと・・・本来なら、きれいなピンク色をしているはずの腸壁が黒ずんで、しかも腸自体の弾力もなくなってしまいます。

 

腸のぜん動運動というのは、腸に弾力があって、しっかりと収縮運動ができてこそ正常に機能するものなので、のびきって弾力を失った腸では、もう上手にぜん動運動をする力さえ出せないのです。

 

市販の便秘薬は悪者か?

ここまで聞くと、市販の便秘薬がすごい悪者のようにも思えてきますが、まず市販の便秘薬というのは、「完全な悪者」というわけではありません。あくまで、「使い方によっては、恐ろしい悪者にもなってしまうことがある」という存在なんですよ。

 

市販の便秘薬は、たとえば環境の変化などによる一過性の急性便秘を乗り切るのには役立ちますし、「たまに便秘薬のお世話になっている」というくらいの使用なら、腸が回復する時間もあるので、これもそれほど大きな問題ではありませんよ。この程度のレベルなら、市販の便秘薬は悪者どころか、「それなりに役に立っている」と言えます。

 

問題は「もう何年も便秘薬が手放せない」という、異常な長期間の常用や、「普通の量では効かない」という、飲みすぎの状態になってしまった場合です。

 

こうなるともう、民間レベルの便秘解消ノウハウだけで対処できるレベルを超えています。悪循環を断ち切るためには、本格的な医師の指導・治療を受けるしか手はありません。